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演劇を使った英語学習でスピーキング・リスニング力を伸ばそう

英語を勉強していて、こんなことを感じたことはありませんか?


「読むことや書くことはできるのに、話すことや聞くことがどうも苦手…」


特に日本の英語教育では、文法や読解に重点が置かれることが多く、実際に英語で話す機会はあまりありません。


授業ではテスト対策や文法の練習が中心で、発話の練習がほとんどない…そんな経験をした人も多いでしょう。


でも、スピーキングやリスニングの力って、教科書だけで身につけるのはなかなか難しいんです。


そこで注目されているのが、「演劇(ドラマ)を使った英語学習」です。


演劇を取り入れることで、英語をただ「学ぶ」のではなく、自然に「使う」環境が生まれます。


今回は、演劇を通してスピーキングやリスニングを伸ばす理由と、具体的な方法をご紹介します。


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日本の英語教育における課題


まず、なぜ日本の英語教育ではスピーキングやリスニングが苦手になりやすいのか、その背景を整理してみましょう。


言語構造の違い


日本語と英語は、文法も語彙も発音も大きく違います。


例えば、日本語には「r」と「l」の音がないため、聞き分けや発音に苦労する人も多いですよね。


こうした言語的な違いは、文法や単語を覚えるだけでは克服が難しい部分です。


教育システムの問題


多くの学校では授業が教師中心で、文法や読解練習が中心です。


生徒同士で英語を話し合ったり、自分の意見を発表したりする機会は少なく、英語を「使う」練習が不足しがちです。


入試の影響


高校や大学の入試では、文法力や読解力が重視されます。


そのため、学校の授業も入試対策中心になり、スピーキングやリスニングは後回しになりやすいのです。


文化的・心理的要因


日本では「間違えることは恥ずかしい」という感覚や、謙虚さを大切にする文化があります。


そのため、授業中に発言したり発表したりすることを控える生徒も多く、英語を話すことへの心理的ハードルが高くなりがちです。


日常での必要性の低さ


日常生活で英語を使う機会がほとんどないことも、日本の学生にとって大きな壁です。


学校で学んだ英語を実際に使う場面が少ないため、スピーキングやリスニングの力を定着させるのは難しくなります。


演劇を英語学習に取り入れるメリット


こうした課題を克服する方法として、演劇やドラマ活動が注目されています。


演劇を使うと、英語を「学ぶ」だけでなく、自然に「使う」経験が生まれます。


特に次の3つの効果が期待できます。


1. 安心できる環境で発話できる


演劇では、役を演じながら英語を話します。


「自分自身が話す」のではなく「キャラクターとして話す」ことで、間違いを恐れずに話すことができます。


悲しみや喜びなどの感情を演じる活動では、正確さよりも流暢さに意識が向きます。


生徒は「間違えても大丈夫」という安全な空間で練習できるため、英語で話すことへの抵抗感がぐっと減ります。


2. 協働と問題解決能力が鍛えられる


演劇活動では、シナリオ作りや即興演技、ディスカッションがあります。


チームでアイデアを出し合い、課題を解決する過程で、自然とコミュニケーション能力や問題解決力も育ちます。


さらに、社会問題や歴史的テーマを題材にすると、リサーチや議論を通してクリティカルシンキングも同時に鍛えられます。


英語学習を単なる文法や単語の暗記から、実際に使えるスキルの習得へと変えてくれるのです。


3. 瞬間的な応答力が強化される


即興のロールプレイやディベートでは、その場で考えて英語で反応する練習になります。


リスニング力はもちろん、瞬間的に話すスピーキング力も自然に鍛えられます。


一方通行の授業では味わえない、リアルなコミュニケーションの感覚を身につけられます。


実践のポイント


演劇を使った英語学習の効果を高めるには、いくつかポイントがあります。


  • 感情を英語で表現する

    悲しみや喜び、不安などの感情を演じることで、正確さより流暢さに意識が向きます。

  • 社会的テーマを題材にする

    歴史や社会問題をテーマにすることで、リサーチや議論を通して英語を使う経験が深まります。

  • 継続的に活動する

    演劇やロールプレイは、一度だけでなく繰り返すことで、スピーキングやリスニングの経験が記憶に残りやすくなります。

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課題と今後の展望


演劇型の英語学習は効果的ですが、課題もあります。


特に、日本の学生は日常生活で英語を使う機会が少ないため、授業で身につけた力が定着しにくいことがあります。


また、長期的にどれくらいスキルが持続するかについては、まだ十分なデータがあるわけではありません。


それでも、繰り返しの演劇活動を通して、「英語を使う楽しさ」や「自分の意見を伝える自信」を体験することは十分可能です。


こうした体験が積み重なることで、英語学習へのモチベーションも自然と高まります。


まとめ


英語のスピーキングやリスニングを伸ばすには、教科書や文法だけでは限界があります。


演劇を取り入れることで、英語を「学ぶ」のではなく「使う」体験ができます。


感情を表現し、仲間と協力し、瞬間的に反応することで、自然とスピーキングとリスニングが鍛えられます。


もし「話す・聞く」が苦手だと感じているなら、授業や自主学習に演劇やロールプレイを取り入れてみてください。


きっと、教室では味わえない「英語を使う楽しさ」を実感できるはずです。




記事作成者 (Manami Palmini


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講師経歴

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  • 国際基督教大学、大学院にて英語の集中クラスを受けながら、演劇や脚本の研究に携わる

  • 日本の個人塾で3年間英語講師としての経験あり

  • ​ニューヨーク大学(NYU)大学院にて芸術教育学を学び、言語学習における芸術活動の効果について研究

  • ​TESOL(英語教授法)資格あり

過去のサポート歴

  • 現地校、日本人学校に通うお子さんの日常英会話

  • 英検、中学、高校、大学受験対策

  • 駐在の方のためのビジネス英会話

  • お子さんがいる方のためのママ友さんとのスモールトーク、学校関連の会話

  • 研究員として渡米された方のためのプレゼンテーションのお手伝い


 
 
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