演劇を使った英語学習でスピーキング・リスニング力を伸ばそう
- Manami
- 7 days ago
- 5 min read
英語を勉強していて、こんなことを感じたことはありませんか?
「読むことや書くことはできるのに、話すことや聞くことがどうも苦手…」
特に日本の英語教育では、文法や読解に重点が置かれることが多く、実際に英語で話す機会はあまりありません。
授業ではテスト対策や文法の練習が中心で、発話の練習がほとんどない…そんな経験をした人も多いでしょう。
でも、スピーキングやリスニングの力って、教科書だけで身につけるのはなかなか難しいんです。
そこで注目されているのが、「演劇(ドラマ)を使った英語学習」です。
演劇を取り入れることで、英語をただ「学ぶ」のではなく、自然に「使う」環境が生まれます。
今回は、演劇を通してスピーキングやリスニングを伸ばす理由と、具体的な方法をご紹介します。

日本の英語教育における課題
まず、なぜ日本の英語教育ではスピーキングやリスニングが苦手になりやすいのか、その背景を整理してみましょう。
言語構造の違い
日本語と英語は、文法も語彙も発音も大きく違います。
例えば、日本語には「r」と「l」の音がないため、聞き分けや発音に苦労する人も多いですよね。
こうした言語的な違いは、文法や単語を覚えるだけでは克服が難しい部分です。
教育システムの問題
多くの学校では授業が教師中心で、文法や読解練習が中心です。
生徒同士で英語を話し合ったり、自分の意見を発表したりする機会は少なく、英語を「使う」練習が不足しがちです。
入試の影響
高校や大学の入試では、文法力や読解力が重視されます。
そのため、学校の授業も入試対策中心になり、スピーキングやリスニングは後回しになりやすいのです。
文化的・心理的要因
日本では「間違えることは恥ずかしい」という感覚や、謙虚さを大切にする文化があります。
そのため、授業中に発言したり発表したりすることを控える生徒も多く、英語を話すことへの心理的ハードルが高くなりがちです。
日常での必要性の低さ
日常生活で英語を使う機会がほとんどないことも、日本の学生にとって大きな壁です。
学校で学んだ英語を実際に使う場面が少ないため、スピーキングやリスニングの力を定着させるのは難しくなります。
演劇を英語学習に取り入れるメリット
こうした課題を克服する方法として、演劇やドラマ活動が注目されています。
演劇を使うと、英語を「学ぶ」だけでなく、自然に「使う」経験が生まれます。
特に次の3つの効果が期待できます。
1. 安心できる環境で発話できる
演劇では、役を演じながら英語を話します。
「自分自身が話す」のではなく「キャラクターとして話す」ことで、間違いを恐れずに話すことができます。
悲しみや喜びなどの感情を演じる活動では、正確さよりも流暢さに意識が向きます。
生徒は「間違えても大丈夫」という安全な空間で練習できるため、英語で話すことへの抵抗感がぐっと減ります。
2. 協働と問題解決能力が鍛えられる
演劇活動では、シナリオ作りや即興演技、ディスカッションがあります。
チームでアイデアを出し合い、課題を解決する過程で、自然とコミュニケーション能力や問題解決力も育ちます。
さらに、社会問題や歴史的テーマを題材にすると、リサーチや議論を通してクリティカルシンキングも同時に鍛えられます。
英語学習を単なる文法や単語の暗記から、実際に使えるスキルの習得へと変えてくれるのです。
3. 瞬間的な応答力が強化される
即興のロールプレイやディベートでは、その場で考えて英語で反応する練習になります。
リスニング力はもちろん、瞬間的に話すスピーキング力も自然に鍛えられます。
一方通行の授業では味わえない、リアルなコミュニケーションの感覚を身につけられます。
実践のポイント
演劇を使った英語学習の効果を高めるには、いくつかポイントがあります。
感情を英語で表現する
悲しみや喜び、不安などの感情を演じることで、正確さより流暢さに意識が向きます。
社会的テーマを題材にする
歴史や社会問題をテーマにすることで、リサーチや議論を通して英語を使う経験が深まります。
継続的に活動する
演劇やロールプレイは、一度だけでなく繰り返すことで、スピーキングやリスニングの経験が記憶に残りやすくなります。

課題と今後の展望
演劇型の英語学習は効果的ですが、課題もあります。
特に、日本の学生は日常生活で英語を使う機会が少ないため、授業で身につけた力が定着しにくいことがあります。
また、長期的にどれくらいスキルが持続するかについては、まだ十分なデータがあるわけではありません。
それでも、繰り返しの演劇活動を通して、「英語を使う楽しさ」や「自分の意見を伝える自信」を体験することは十分可能です。
こうした体験が積み重なることで、英語学習へのモチベーションも自然と高まります。
まとめ
英語のスピーキングやリスニングを伸ばすには、教科書や文法だけでは限界があります。
演劇を取り入れることで、英語を「学ぶ」のではなく「使う」体験ができます。
感情を表現し、仲間と協力し、瞬間的に反応することで、自然とスピーキングとリスニングが鍛えられます。
もし「話す・聞く」が苦手だと感じているなら、授業や自主学習に演劇やロールプレイを取り入れてみてください。
きっと、教室では味わえない「英語を使う楽しさ」を実感できるはずです。
記事作成者 (Manami Palmini ![]() 講師経歴
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