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アメリカで小学生・中学生を教える私が大切にしている誠実さ

アメリカに住む小学生や中学生を指導するなかで、私が最も大切にしていることがあります。


それは「誠実であること」です。


教育の現場では、目に見える成果やテストの点数ばかりに注目が集まりがちです。


しかし、子どもたちが将来、自分らしく生きていくために本当に必要なものは何かを考えたとき、私は「学ぶ人に真摯に向き合う姿勢」がすべての土台になると信じています。


アメリカで生活し、学校に通う日本人の小学生・中学生たちは、言語の壁だけでなく、文化や価値観の違いの中で苦しむお子さんもいます。


そんな彼らに必要なのは、小手先のテスト対策や表面的な英語力ではなく、誠実に学ぶ姿勢だと考えます。

「誠実な教育」とは何か?


「誠実」とは、簡単に言えば、ごまかさず、まっすぐに物事と向き合うことです。


私にとって教育においての誠実さとは、以下のような姿勢を指します。


  • わからないことを「わからない」と言える勇気を育てる

  • 間違いを恐れずに挑戦する態度を支える

  • 子どもを“できる・できない”で判断しない

  • その子の「今」と「心」に焦点を当てる


アメリカの学校では、生徒の自己表現が重視され、ディスカッションやプレゼンテーションが頻繁に行われます。


中には、自信たっぷりに発言する子が評価されやすい風潮もあります。


しかし、だからといって、内向的な性格や、自分のペースで学びたい子どもたちの価値が下がるわけではありません。


私は、どんな子どもにも本気で向き合い、自分に嘘をつかない英語力をつけてもらうことを何より大切にしています。


それが、誠実さをベースにした教育の第一歩です。


なぜ今、「誠実さ」が必要なのか?


嘘やごまかしが通用しない時代


SNSやAI技術の発展によって、情報が即座に拡散され、誰もが発信者になれる現代。


うわべだけの言葉や飾られたイメージは、すぐに見抜かれる時代です。


子どもたちはこれから、透明性と信頼が重視される社会を生きていくことになります。


だからこそ、小学生・中学生の段階から「誠実に自分と向き合い、誠実に他者と関わる力」を身につけてほしいのです。


学びは一生続くもの


教育は短距離走ではありません。


特にアメリカの教育制度では、大学進学までに自分の意見を持ち、自ら学ぶ力が求められます。


ここで重要なのは、「完璧さ」ではなく「成長を続けようとする意志」です。


誠実であるということは、自分の弱さや未熟さを認めたうえで、それでも学びを続けようとする姿勢にほかなりません。

実際の教育現場での取り組み


■ その1:「わからない」を歓迎する空気づくり


多くの日本人の小学生や中学生は、「間違えてはいけない」「正解しないと恥ずかしい」と思いがちです。


しかしアメリカの学校では、「質問すること」や「自分の考えを述べること」が学習の中心にあります。


私は授業中に、何も言わないことよりも、「分からない」ということを推奨しています。


そして、「わからない」という感覚の中から、「分かること」を取り出していきます。


このように、「正解すること」よりも「学ぼうとする姿勢」を大切にすることで、子どもたちは少しずつ自信を持ち、誠実な学び手に育っていきます。


■ その2:結果ではなくプロセスを重視


テストの点数だけで評価するのではなく、「どんな工夫をしたか」「どこでつまずいたか」「次は何を改善しようとしているか」を一緒に振り返ります。


例えば、小学生や中学生の作文指導では「文法の正しさ」だけではなく、「読んだ人が分かりやすいか」「伝えたかったことは何か」にも耳を傾けます。


結果ではなくプロセスに光を当てることで、子どもは「ごまかし」ではなく「本当の自分」で勝負しようとするのです。


■ その3:大人も誠実であること


誠実さを教えるには、まず教える側が誠実であることが大前提です。子どもは大人の姿を見て学びます。


私自身、子どもに対して「教える立場の方が上である」という意識を持ちません。


私は、少し「知識が多い」だけの存在にすぎません。


小さなことかもしれませんが、そうした丁寧なやりとりの積み重ねが、「信頼」と「誠実さ」を育てていくと信じています。


まとめ:誠実な教育は、未来への投資


アメリカで暮らす小学生・中学生にとって、学校生活は時に過酷です。


言語の壁、文化の違い、自己表現の難しさ…。


そんな環境のなかで、子どもたちは日々、自分自身と向き合いながら成長しています。


だからこそ、私たち大人は「誠実な教育」を通して、彼らが安心して学べる場をつくっていく必要があります。


ごまかさない。飾らない。逃げない。


そんな姿勢を持った学び手が、将来きっと、他者と深くつながり、社会に貢献する力を持つはずです。


誠実であること。


それは、すぐに評価されるものではないかもしれません。


しかし、最終的には必ずその人の「信頼」と「生きる力」につながります。


これからも、私はこの信念を軸に、アメリカで学ぶ小学生・中学生に寄り添い続けていきたいと思います。



記事作成者 (Manami Palmini



講師経歴

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  • 国際基督教大学、大学院にて英語の集中クラスを受けながら、演劇や脚本の研究に携わる

  • 日本の個人塾で3年間英語講師としての経験あり

  • ​ニューヨーク大学(NYU)大学院にて芸術教育学を学び、言語学習における芸術活動の効果について研究

  • ​TESOL(英語教授法)資格あり

過去のサポート歴

  • 現地校、日本人学校に通うお子さんの日常英会話

  • 英検、中学、高校、大学受験対策

  • 駐在の方のためのビジネス英会話

  • お子さんがいる方のためのママ友さんとのスモールトーク、学校関連の会話

  • 研究員として渡米された方のためのプレゼンテーションのお手伝い


 
 
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