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アメリカで育つ子どもに必要な“英語×自己表現”の教育

英語は“科目”ではなく“自己表現”の手段


アメリカに住む日本人の小学生・中学生にとって、英語は日常の一部となります。


現地校での授業、友人との会話、宿題やプレゼンテーションなど、すべてが英語で行われます。


だからこそ多くの保護者が、「うちの子、単語力が足りないのでは?」「文法ミスが多いのでは?」と心配されるのは自然なことだと思います。


しかし、私が実際に教育の現場で感じているのは、英語スキルだけでは、子どもたちは本当の意味で“話せる”ようになるとは限らないということです。


「正しく話す力」ももちろん大事ですが、それよりもまず、「自分の言葉で世界と関わろうとする力」──つまり、内面の成長と自己表現力の育成が何より大事だと、私は強く信じています。

英語スキルは「入口」でしかない


もちろん、単語や文法の理解は大切です。


基礎がなければ、言いたいことも伝えられません。


しかし、それ以上に、「何を伝えたいのか」という内側から湧き上がる気持ちや意思が大事になります。


たとえば、

  • 授業で「あなたの意見は?」と問われたとき

  • プレゼンで「自分の考え」を求められたとき

  • 友人との会話で「どう思う?」と聞かれたとき


英語力があっても、「自分の考えがない」「何を言いたいのかわからない」と、言葉は続きません。


つまり、英語を“道具”として使いこなすには、伝えたい想いや考えを持っていることが不可欠なのです。


アメリカの教育現場が重視する「自己表現力」


アメリカの小学校や中学校では、自己表現力が重要視されています。


エッセイやディスカッション、ショーアンドテル(Show and Tell)など、子どもが自分の意見や感情を言葉で表現する場面が多いのが特徴です。


この文化の中で育つには、


  • 「自分は何を感じているのか?」

  • 「どうしてそう思うのか?」

  • 「どんな言葉でそれを伝えるか?」


という“内面の問い”に日々向き合う必要があります。


ですから私は、単に英語の技術を教えるだけでなく、子どもたちが自分の感情や意見に気づき、それを英語で表現できるようになるプロセスをとても大切にしています。


私の教育で大事にしていること


英語の学びを支えるうえで、私が大事にしているのは、次の3つの柱です。


表現の自由を認めること


子どもが何かを伝えようとしているとき、「文法が間違っているよ」とすぐに修正するのは逆効果になることがあります。


間違っていてもいいから、まずは「自分の言葉」で話してみる勇気を尊重します。


私は、「どうしてその言葉を使ったの?」と問いかけながら、言語の裏にある感情にも注目しようとします。


英語を“自己理解”のツールにする


英語で話すということは、必ずしも「翻訳」ではありません。


「日本語ではこう言うけど、英語では何て言う?」ではなく、「英語を使うとき、自分は何を伝えたいのか?」に焦点を当てます。


英語学習を通して、「自分ってどんな人なんだろう?」「何が好きで、何が苦手?」という自己理解が進んでいくのです。


世界とつながる「対話力」を育てる


将来、英語を使う場面はテストの中だけとは限りません。


進学、仕事、旅、国際交流、すべてにおいて、英語は「自分と世界をつなぐ対話の道具」になります。


そのため、私は「正しい英語を話すこと」と同時に、「相手とどう関わるか」「違いをどう受け入れるか」といったコミュニケーションの本質を重視しています。

小学生・中学生という時期にこそ育てたい「自己信頼」


自己表現には勇気が必要です。


特に、アメリカで生活する子どもたちは、言葉の壁に不安を抱えがちになります。


間違うことを恐れて、話すことすらできなくなってしまう子も少なくありません。


だからこそ、私は「失敗しても大丈夫」という安全な場づくりに力を入れています。


  • 間違っても笑わない

  • 英語力ではなく「伝えようとする姿勢」を褒める

  • 一人ひとりの成長を言葉でフィードバックする


こうした積み重ねが、子どもたちの「自分は英語で世界とつながれる」という自己信頼を育てるのです。


英語教育=“生き方”の教育


英語教育は、ただの「言語習得」ではありません。


それは、自分の考えを持ち、他者と対話し、多様な価値観の中で生きる「人間としての在り方」を育てる教育です。


特にアメリカに住む小学生・中学生にとって、英語は「受験のための道具」ではなく、生きる力そのもの


だから私は、子どもたちが英語を通して自分の世界を広げていけるよう、日々の教育に誠実に取り組んでいます。


まとめ:「話せる子」ではなく「伝えられる子」に


アメリカで育つ子どもたちに必要なのは、単語や文法を機械的にこなすスキルだけではありません。


必要なのは、自分の思いを自分の言葉で表現できる力──“話せる”を超えて、“伝えられる”英語力です。


それを支えるのは、英語スキルだけでなく、「自分自身を理解する力」「他者と関わる力」「心の声を言葉にする力」といった内面の成長にほかなりません。


私はこれからも、「自己表現のための英語」「生きるための英語」を軸に、こどもたちの学びを支えていきたいと考えています。



記事作成者 (Manami Palmini



講師経歴

​​

  • 国際基督教大学、大学院にて英語の集中クラスを受けながら、演劇や脚本の研究に携わる

  • 日本の個人塾で3年間英語講師としての経験あり

  • ​ニューヨーク大学(NYU)大学院にて芸術教育学を学び、言語学習における芸術活動の効果について研究

  • ​TESOL(英語教授法)資格あり

過去のサポート歴

  • 現地校、日本人学校に通うお子さんの日常英会話

  • 英検、中学、高校、大学受験対策

  • 駐在の方のためのビジネス英会話

  • お子さんがいる方のためのママ友さんとのスモールトーク、学校関連の会話

  • 研究員として渡米された方のためのプレゼンテーションのお手伝い


 
 
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