アメリカ在住の小学生・中学生に必要な長期的英語力とは?
- Manami
- Jul 3
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Updated: Jul 4
はじめに:英語は「点数」より「生きる力」
アメリカで暮らす日本人の小学生や中学生にとって、英語は日常の課題となります。
現地校に通えば、授業も宿題もすべて英語。
先生の指示も、友達との会話も、すべて英語。
英語が理解できなければ、学習も人間関係も難しく感じてしまうでしょう。
そんな状況の中、多くの保護者が心配するのが「英語の成績」や「現地校での学力」ですよね。
「このままで授業についていけるの?」
「うちの子だけ英語の習得が遅れている?」
という不安の声もよく耳にします。
しかし、私が教育の現場で実感しているのは、「短期的な成績」よりも「長期的な英語力」と「自己信頼感」こそが、子どもたちの未来を支える鍵になるということです。

アメリカの学校では「英語ができる=テストで点を取れる」ではない
まず大切なのは、アメリカの教育は「英語力=正解できる能力」ではないということです。
アメリカの小学校・中学校では、テストだけでなく、エッセイ、ディスカッション、プロジェクトワーク、プレゼンテーションといった「表現力」「思考力」「コミュニケーション能力」も同様に重視されます。
つまり、単語の暗記や文法の正確さと同時に、
自分の考えを英語でどう伝えるか
他者とどう協力し、意見を交わすか
失敗しても立ち直る力をどう育てるか
が大切になります。
だからこそ私は、「点数を取るための英語」ではなく、「生きる力としての英語力」を育てたいと強く思っています。
私が大切にしている「3つの軸」
アメリカで暮らす子どもたちのために、私は次の3つの視点を軸に英語教育に取り組んでいます。
英語を「評価」ではなく「表現」の手段にする
子どもたちの中には、「英語が苦手=自分はだめだ」と思い込んでしまう子がいます。
特に、読み書きのスピードが遅い子、文法ミスが多い子は、「自分は英語ができない」と自己否定してしまいがちです。
しかし、英語は間違えながら、使いながら、徐々に身についていく言語です。
私は、間違いを指摘するよりも「伝えたいことは何?」と問いかけます。
そして、「知ってる言葉を使ってごらん」「完璧じゃなくていいから」と肯定的にフィードバックすることを心がけています。
英語が自分の内面を表現するための道具になったとき、子どもたちは驚くほど自信を持ち始めます。
成績よりも「使える実感」を優先する
英語のテストで90点を取った子が、日常生活で英語が使えないこともあります。
逆に、テストの点数は低くても、友達と笑い合いながら英語で話している子もいます。
だからこそ、「英語が使えた!」という小さな成功体験を積み重ねることが、アメリカで暮らすうえで何より大切だと思っています。
例えば:
学校で先生に質問できた
スーパーで自分で会計できた
英語で感情を伝えられた
そういった「生活の中での成功」が、長期的な英語力につながっていくのです。
英語とともに「自己信頼感」を育てる
最終的に私が目指しているのは、「英語ができる子」ではなく、「英語を使って、自分の考えや気持ちを伝えられると信じられる子」を育てることです。
英語力は、伸びるスピードに個人差があります。
でも、自分に自信を持って学び続けられるかどうかは、教育者のかかわり方によって大きく左右されます。
私は、子どもたちが英語で話すときに、努力の過程を丁寧に認めることを大事にしています。

英語教育においてよくある悩み
「早く英語ができるようにならないと遅れる?」
たしかに、小学生や中学生の段階で英語がスムーズに使える子は、有利に感じるかもしれません。
しかし、早くから流暢でも、その後伸び悩む子もいますし、最初は遅くても、後から一気に伸びる子もいます。
バイリンガル教育では、安心して毎日を過ごせるようサポートすることが、のちの爆発的な成長につながることもあります。
成績は「結果」、英語力と自己信頼は「土台」
成績が良いことはもちろん喜ばしいことですが、それはあくまで「結果」です。
長期的に見て、英語力と自己信頼をしっかり育てることが「土台」になります。
自分の言葉で表現する力
失敗してもやり直す力
英語で他者とつながる力
これらが備わっていれば、成績や結果はあとから必ずついてきます。
そして、それは高校・大学、さらには社会人になってからも子どもたちを支える「生きる力」となります。
まとめ
私は、英語教育を通して、10年後、20年後の子どもたちの姿を常にイメージしています。
「英語でプレゼンしている姿」
「世界中の人とつながっている姿」
「自分の気持ちをまっすぐに言える姿」
その未来のために、「自分は英語を通して世界とつながれる」と信じる心を育てること。
アメリカで育つ小学生・中学生にとって、それこそが最大の教育資産になると信じています。
記事作成者 (Manami Palmini ![]() 講師経歴
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