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Manami

日本人の英会話問題:野球関連の本を20冊読んでも名バッターにはなれない

更新日:7月23日

日本の英語教育について、多くの人が一度は「本当にこれで英語が話せるようになるのか?」という疑問を抱いたことがあるでしょう。この疑問に対して、私はよく「野球関連の本を20冊読んでも名バッターにはなれない」という例えを使います。日本の英語教育は、スポーツにおいて関連書籍を数十冊読むだけで、バットにも触れなければ、ボールに触ったこともないのと同じなのです。今回は、英語教育の問題点と実践的な英会話の重要性について詳しく探っていきたいと思います。



日本の英語教育の問題

日本の英語教育は、主に文法や読解、語彙の習得に重点が置かれていますね。中学校や高校の英語の授業では、教科書を使って文法のルールを学び、読解問題を解くことが中心です。しかし、これだけでは実際の英会話に必要なスキルを身につけることは難しいのです。なぜならこれは、野球で例えるならば、理論や戦術を学んだだけで、実際にバットやボールを使ってプレーした経験がない状態と同じだからです。

20冊の野球関連書を読んだ後に皆さんは思います。「野球がちっともうまくならない」と。そこで、皆さんは次の行動に出るのです。違う教材を手に入れよう、と。そこで、21冊目として、「日本代表を率いたOO監督直伝!なんちゃらかんちゃら」みたいな本が本棚に加わることになります。


実践的な英会話とは

英語の勉強と実践の会話は違います。英会話が上達するためには、自分の耳と口を使って実際に会話をすることが不可欠です。野球がうまくなりたければ、ボールやバットの使い方を自分の体で覚えなければいけないのと同様に、英会話も実際に話してみる経験が必要です。理論的な知識だけではなく、実際にコミュニケーションを取ることで初めて、英語のスピーキングスキルが向上します。


英語試験の面接対策の問題点

さらに、日本の英語教育では、英語試験の面接対策が重視されることが多いですが、これも英会話の学習とは言えません。まず第一に、面接に使われるトピックはあまり日常生活で使われるものではありません。友達とカフェに行って、「政府は今後もエネルギーに対する需要に応えられるか」について語る機会がどれくらいあるでしょうか。それよりは、「うちの上司が超せこいんだよ」という話を聞くことのほうが多いのではないでしょうか。

そして第二に、面接対策には"First"や、"Also"などで理由を付け足すストラクチャーがありますが、普通の会話にそんなものは存在しません。ここで、面接対策と実際の会話の違いを見ていきますね。


面接対策:

"Do you think I should quit my job?"

"Yes, I think so because you are stressed too much and it is not good for your health. Also, your boss has been treating you unfairly, so you should find a new job."


実際の会話:

"Do you think I should quit my job?"

"Yes, I think so because you are stressed" "Oh really? Yea, I think I should too, but also I gotta pay off my car, and you know, my current job pays me very well. I gotta think about ブラブラブラブラ”


はい、こうなった時どうしますか?こうなった時点で、あなたが用意した"Also..."からの回答は使用不可となります。実際の会話は相手がいるので、あなたが言いたいことを終えるまで待ってくれるとは限りません。



試合の相手に合わせた情報収集と戦略

野球では、対戦相手によって戦略を変えることが重要です。同じように、英会話も相手によって話し方やスピードが異なります。そのため、英語のコミュニケーションでは、相手の話し方やスピードに合わせて自分の受け取り方を調整する必要があります。そのため、ひとつのリスニング教材だけを聞いていても、面接対策だけをしていても、英会話ができるようにはならないのです。


英会話の練習方法

実際の英会話の練習方法として、私はよく以下の方法をレッスンに取り入れています。


  1. フリートークと書き起こし:フリートークで数分自由に話してから、その話した内容を書き起こします。このとき、書き起こすのは書き言葉ではなく、口語表現をそのままドキュメントに移します。これによって、自分の伝えたいことの正しい表現を学びます。

  2. シャドーイング:ネイティブスピーカーの音声を聞きながら、そのまま真似して話す練習を行います。これにより、自然な発音やイントネーションを身につけることができます。

  3. ロールプレイ:日常の様々なシチュエーションを想定して、英語で会話をする練習を行います。例えば、レストランでの注文や道案内など、実際の生活でよく使う場面を再現します。

  4. 英語日記:英語で日記を書く習慣をつけることで、文章力を向上させるとともに、自分の考えを英語で表現する力を養います。



英会話のスキルを向上させるために

英会話のスキルを向上させるためには、継続的な練習が不可欠です。


  • リスニング力を鍛える:リスニングスキルが向上すると、相手の言っていることが理解しやすくなり、自分の返答もスムーズになります。英語の映画やドラマ、ポッドキャストを積極的に聴くことでリスニング力を鍛えましょう。

  • 実際の会話を楽しむ:英会話は楽しんで行うことが上達の鍵です。興味のある話題や趣味について英語で話すことで、自然と会話のスキルが向上します。


まとめ

日本の英語教育が抱える問題点として、「本を読んで学ぶこと」と「実際に使うこと」のギャップがあります。野球関連の本を20冊読んでも名バッターにはなれないように、英語の理論を学ぶだけでは英会話が上達することはありません。実際に英語を使って会話をすることで、初めてコミュニケーションのスキルが身につくのです。試合の相手に合わせた戦略が重要な野球と同じように、英会話も相手によって話し方やスピードを調整する必要もあります。継続的な練習と実践を通じて、英会話のスキルを向上させていきましょう。



記事作成者 (Manami Palmini)



講師経歴

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  • 国際基督教大学、大学院にて英語の集中クラスを受けながら、演劇や脚本の研究に携わる

  • 日本の個人塾で3年間英語講師としての経験あり

  • ​ニューヨーク大学(NYU)大学院にて芸術教育学を学び、言語学習における芸術活動の効果について研究

  • ​TESOL(英語教授法)資格あり

過去のサポート歴

  • 現地校、日本人学校に通うお子さんの日常英会話

  • 英検、中学、高校、大学受験対策

  • 駐在の方のためのビジネス英会話

  • お子さんがいる方のためのママ友さんとのスモールトーク、学校関連の会話

  • 研究員として渡米された方のためのプレゼンテーションのお手伝い


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