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英検英作文の導入(イントロダクション)を上手に書くコツ

前回の記事では、英検の英作文におけるアウトラインの作り方について解説しました。


特に英検のライティングでは、論理的にアイデアを整理することが得点につながります。


アウトラインはまさに「文章の地図」のような役割を果たします。


そして、その地図をもとに最初に書き始めるのが「イントロダクション(導入)」です。


今回は、英検のライティングで高得点を狙うために、導入部分をどう書けば、採点者に「続きを読みたい」と思わせる効果的なイントロになるのかを、具体例を交えて解説します。


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イントロダクションの基本構成とは?


英検の英作文では、ただトピックを紹介するだけでは不十分です。


採点者は、論理の筋道や表現力、語彙の豊富さも見ています。


したがって、イントロダクションは「このテーマがなぜ大切なのか」「どんな問題を扱うのか」「このエッセイで何を明らかにしたいのか」を示す部分でもあります。


一般的に、イントロダクションは次の4つのステップで構成されます。


  1. トピックの提示

  2. 背景情報の提供

  3. 問題意識の提示

  4. エッセイの目的・主張の明示


英検のライティングでも、この順序で書くと論理の流れが明確になります。


① トピックの提示 — 読者(英検の採点者)にテーマを知らせる


まずは、エッセイのテーマを明確に紹介します。


「どんな話をするのか」がはっきりしていないと、採点者は評価のしようがありません。


最初の1〜2文で、トピックの全体像を簡潔に示すことが重要です。


例文(英検準1級向け):In modern education, the use of smartphones and other digital devices has become a widely debated topic.


(現代の教育では、スマートフォンやその他のデジタル機器の使用が広く議論されるテーマとなっています。)


この一文で、「教育 × デジタル機器」というトピックが明確になり、英検の採点者にテーマを瞬時に伝えられます。


② 背景情報の提供 — 理解を助ける情報を追加


トピックを示したら、次に背景情報を加えます。


背景情報は、採点者がテーマの文脈を理解できるようにするための説明です。


歴史的な流れ、社会的な変化、最新データなどを簡潔に示すと、文章に説得力が出ます。


例文(英検2級向け):In recent years, schools have integrated tablets and online platforms into classrooms, creating more interactive learning experiences.


(近年、多くの学校でタブレットやオンライン学習プラットフォームが導入され、より双方向的な学習環境が生まれています。)


英検では、このように背景情報を自然に盛り込むことで、文章全体の説得力と語彙力がアピールできます。


③ 問題意識の提示 — 「なぜこのテーマが重要か」を明示


導入部分で重要なのは、この「問題意識」です。


英検の英作文では、ただ事実を述べるだけでなく、「このテーマには課題がある」という意識を示すことが高得点につながります。


例文(英検1級向け):Nevertheless, some educators warn that excessive reliance on digital devices may hinder students’ critical thinking and interpersonal communication skills.


(それでも、一部の教育者は、デジタル機器への過度な依存が生徒の批判的思考力や対人コミュニケーション能力を妨げる可能性があると警告しています。)


「便利になったけれど問題もある」と問題提起をすることで、論理展開の方向性が明確になります。

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④ エッセイの目的・主張の明示 — thesis statement


最後に、エッセイの目的や自分の立場を明示します。


英検では、このthesis statementがあるかないかで、採点者の印象が大きく変わります。


エッセイ全体の方向性を示し、読む側に「どんな論点を展開するのか」を理解させます。


例文(英検準1級向け):This essay will examine both the advantages and disadvantages of using digital devices in education, and argue that a balanced approach is essential for effective learning.


(本エッセイでは、教育におけるデジタル機器の利点と欠点を検討し、効果的な学習にはバランスの取れた活用が不可欠であると論じます。)


採点者はこの一文で、「結論としてバランスの重要性を論じるのか」と理解でき、文章の論理構成が明確になります。


イントロダクションで避けたいポイント(英検向け)


  • いきなり自分の意見から書き始める →背景や問題提起がないと説得力が弱くなります。


  • トピックが広すぎる、または曖昧 →焦点を絞らないと、ボディパラグラフで話が散らかります。


  • 難しい専門用語や長文を多用 →英検では、明確で読みやすい文章が評価されます。


まとめ — 導入は英検英作文の「顔」


イントロダクションは、エッセイ全体の印象を決める重要な部分です。


たとえボディパラグラフで論理的な議論を書いても、導入で読者(採点者)の関心を引けなければ、文章全体の評価は下がります。


英検の英作文では次の3点を意識しましょう。


  1. 読者を惹きつける明確なテーマの提示

  2. 背景情報や問題意識を示し、テーマの重要性を伝える

  3. エッセイ全体の方向性(主張)をはっきり示す


これらを意識することで、読みやすく説得力のあるイントロダクションを書けます。


次回は、英検ライティングで高得点を狙うためのボディパラグラフの書き方や、主張を支える具体例の示し方について詳しく解説します。




記事作成者 (Manami Palmini


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講師経歴

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  • 国際基督教大学、大学院にて英語の集中クラスを受けながら、演劇や脚本の研究に携わる

  • 日本の個人塾で3年間英語講師としての経験あり

  • ​ニューヨーク大学(NYU)大学院にて芸術教育学を学び、言語学習における芸術活動の効果について研究

  • ​TESOL(英語教授法)資格あり

過去のサポート歴

  • 現地校、日本人学校に通うお子さんの日常英会話

  • 英検、中学、高校、大学受験対策

  • 駐在の方のためのビジネス英会話

  • お子さんがいる方のためのママ友さんとのスモールトーク、学校関連の会話

  • 研究員として渡米された方のためのプレゼンテーションのお手伝い


 
 
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